【本記事の執筆について】 本記事はドバイ土地局(DLD)およびRERA(不動産規制庁)の正規ライセンスを取得したBITEX TRUST REAL ESTATE L.L.C(RERA登録番号:1575622)が執筆しています。すべての情報は公式データと規制に基づいており、投資家の皆様が信頼できるエージェントを見分け、安心してドバイ不動産投資を進めるための実践的なガイドを提供します。
最終更新:2026年9月9日
なぜエージェント選びが投資の成否を左右するのか
1-1 本記事はこれまでの内容を実践する「窓口」を選ぶ回
これまでの章で、資金準備、送金の実務、税制、ビザ制度など、ドバイ不動産投資に必要な知識を個別に解説してきました。
しかし、実際の取引はすべて、物件を紹介し、契約をとりまとめる「エージェント」という窓口を通じて進みます。どれだけ正しい知識を持っていても、窓口となるエージェントが無許可だったり、悪質な手口を使う相手だったりすれば、それまでの準備が無駄になりかねません。
本章では、ドバイでの不動産取引における代表的な詐欺・トラブル事例をもとに、日本人投資家が陥りやすい7つの落とし穴を整理します。
1-2 市場が拡大しているからこそ、悪質な業者も紛れ込みやすい
これまでの章で見てきた通り、ドバイの不動産市場は取引件数・取引額ともに拡大を続けており、世界中から投資家が参入しています。
市場が拡大を続ける一方で、無許可の業者や、既存の登録情報を悪用しようとする悪質な業者による詐欺も実際に発生しており、検証を怠った買い手が標的にされやすいと指摘されています(*1)。
日本人投資家は現地の言語や制度に不慣れなことが多く、狙われやすい属性であるとも言えます。だからこそ、エージェント選びの段階で最低限の確認作業を怠らないことが重要になります。
実際、DLD(ドバイ土地局)傘下のRERAは、違反業者に対する摘発・処分を継続的に行っており、その一部は公式サイトで公表されています。例えば2020年10月には、広告掲載の許可番号を偽装・流用したり、失効した許可番号のまま広告を出し続けていた不動産会社10社に対しAED50,000から始まる累進的な罰金を科し、さらに30社に警告を出したことが公表されています(*8)。過去には、担当者の未登録や仲介登録簿への不記載など10種類の違反により、仲介会社22社に総額AED900,000の罰金が科された事例も公表されています(*9)。
これらはあくまでDLDが公表した一部の摘発事例であり、違反件数・処分件数を網羅した最新の統計が定期的に公開されているわけではありません。ただし、こうした発表からも分かる通り、無許可・無登録の業者やルール違反を行う業者は現実に取り締まりの対象となっており、「登録・確認を徹底する業者ほどこうしたリスクを避けやすい」という傾向を裏付ける材料と言えます。
チェックすべき基本|ライセンスと本人確認の落とし穴

2-1 落とし穴①|会社のライセンスだけ確認して満足してしまう
多くの投資家は、取引を依頼する不動産会社がDLD(ドバイ土地局)の登録を受けているかどうかは確認しますが、実際に対応する「担当者個人」のライセンスまでは確認しないケースが多く見られます。
ドバイでは、会社としての商業ライセンスとは別に、個人の仲介活動を行う担当者はRERAが発行する「ブローカーカード」を保有している必要があります(*2)。
会社が正規登録されていても、実際に窓口となる担当者本人が無資格、あるいはライセンスが失効しているケースが報告されており、実際にRERA登録が8か月前に失効していた担当者が、預金を個人口座に振り込ませていた被害事例(被害額約AED95,000)も確認されています。
参考までに、この「ブローカーカード」を取得するには、ドバイ土地局傘下の教育機関であるDREI(Dubai Real Estate Institute)が実施する数日間の研修(Certified Training for Real Estate Brokers、費用はAED2,500〜4,000程度)を修了した上で、RERAの試験(受験料はAED500〜700程度)に合格する必要があります(*4)。つまり正規のライセンスは「誰でもすぐ取れるもの」ではなく、一定の教育・試験プロセスを経て発行されるものであり、だからこそ有効性の確認に意味があります。
2-2 落とし穴②|担当者から聞いたBRN番号を鵜呑みにしてしまう
もう一つの落とし穴が、担当者個人を識別する「BRN(Broker Registration Number)」番号の扱いです。BRN番号自体は正規に発行されたものであっても、その番号を別人が盗用して名乗っているケースが報告されています。
つまり「番号を検証できた=相手が本人である」とは限らないという点に注意が必要です。DLD公式サイトまたはDubai RESTアプリの「Licensed Real Estate Brokers」検索機能で、担当者名・会社名・BRN番号の3点が一致しているかを確認し、可能であれば登録されている会社の代表電話に直接連絡して本人確認を取ることをおすすめします。
この検索機能は実際にどのような画面で、何を確認できるのか。BITEXが実際にDLD公式サイトの「Licensed Real Estate Brokers(ライセンス登録済み不動産ブローカー)」検索機能でBRN番号を1件検索してみました(*11)。ログインや会員登録は不要で、無料で誰でも利用できます。
- DLD公式サイトの「Licensed Real Estate Brokers」ページを開き、「Access this Service」から検索画面に入る
- 検索ボックスに、担当者から聞いたBRN番号(または氏名・会社名)を入力する
- 「Match With Broker Number」のタグが付いた候補が表示されるので、氏名・会社名が担当者の名刺と一致しているかを確認する
- カードをクリックすると詳細画面に遷移し、「Personal Details」タブでBRN番号・所属会社名・ライセンス発行日・ライセンス有効期限(Personal Details側)が確認できる
- さらに「Office Details」タブに切り替えると、会社(オフィス)側のライセンス発行日・有効期限が別途表示される
実際に検索してみて分かった重要な点は、個人(ブローカー)のライセンス有効期限と、所属会社(オフィス)のライセンス有効期限は別々に表示され、両者が一致しない場合があるということです。今回検索した実例では、個人側の有効期限は数年先まで有効と表示されていた一方、オフィス側のライセンス有効期限は検索時点(2026年9月)で既に経過した日付が表示されていました。これが更新手続き中による一時的な表示なのか、他の事情によるものかは、この検索結果だけでは判別できません。だからこそ、「個人のBRNが確認できた」だけで安心せず、Office Detailsタブで会社側の有効期限も必ず併せて確認することが重要です。有効期限に少しでも疑問がある場合は、契約前にDLDの窓口(またはエージェント自身)に直接確認することをおすすめします。
市場の平均的な利回りと、詐欺・トラブル事例でよく見られる「保証利回り」の謳い文句を比較すると、以下のようになります。

2-3 落とし穴⑧|エージェントのライセンスだけ確認して、広告そのものの許可番号(Trakheesi番号)を見落とす
ここまでの落とし穴①②で、会社のライセンスや担当者のBRN番号を確認する重要性を説明しましたが、実はもう1つ別の階層の確認事項があります。それがTrakheesi許可番号(広告許可番号)です(*10)。
ドバイでライセンスを持つ企業が物件広告(ポータルサイト・看板・SNS等)を掲載するには、事前にDLD(ドバイ土地局)から広告そのものに対する許可番号を取得する必要があります。これは「エージェントが営業資格を持っているか」を証明する仲介業者ライセンスとは別の階層の確認事項で、「どの企業が、どの物件を、オーナーの指示にもとづいて広告しているか」の追跡可能性を担保する仕組みです。
2023年4月以降、DLDはMadmounというQRコード検証サービスを導入しており、広告に付されたQRコードをスキャンすることで、広告企業の詳細と対象物件の情報を確認できます(*10)。エージェントのライセンスが本物であっても、実際に見せられている物件の広告自体がこの許可を得ていない、あるいは別の物件のものである、というケースもあり得るため、「エージェントは本物」「広告・リスティングも本物」の両方を別々に確認する意識を持つことをおすすめします。
契約プロセスに潜む落とし穴
3-1 落とし穴③|書面の代理契約を交わさずに口頭だけで進めてしまう
信頼できるエージェントであれば、正式な代理契約書(Form A・Form Bなど、RERAが定める書式)を取り交わした上で取引を進めます。
逆に言えば、この書面のやり取りを省略し、口頭やチャットのみで話を進めようとするエージェントには注意が必要です。書面での代理契約がない状態は、後にトラブルが発生した際に、購入者側の立場を証明する材料が乏しくなることを意味します。
3-2 落とし穴④|資金をエスクロー口座以外に振り込んでしまう
資金準備と送金の実務でも触れた通り、オフプラン(未完成段階で購入する物件)物件の購入資金はDLD登録のエスクロー(第三者が一時的に資金を預かる仕組み)口座で管理されることが法律で義務付けられています。
しかし実際の詐欺事例では、担当者個人の口座や、登録されていない仲介会社名義の口座への振込を指示されるケースが後を絶ちません。
振込先の口座名義がプロジェクトのエスクロー口座と一致しているかを、契約書だけでなくDLDの公式チャネルでも確認する習慣が、最も効果的な防御策の一つです。
▼購入手続き全体の流れはこちらで解説していますので、あわせてご確認ください。
営業トークに潜む落とし穴
4-1 落とし穴⑤|非現実的な保証利回りを鵜呑みにしてしまう
ドバイ不動産 vs 日本不動産を徹底比較で触れた通り、ドバイ全体の平均グロス利回りはおおむね5.53%程度です。
にもかかわらず、一部の悪質な営業では「月1%(年利12%)の賃貸利回りを保証する」といった、市場実態からかけ離れた数字が提示されることがあります。実際に、SNS広告経由で偽物件の予約金AED45,000をだまし取られた事例でも、この「月1%保証」という謳い文句が使われていました(*3)。
高い利回りの提示自体が即座に詐欺を意味するわけではありませんが、市場平均から大きく乖離した「保証」をうたう場合は、その根拠(契約書上の保証条項の有無、保証主体の信用力)を必ず確認し、鵜呑みにしないことが重要です。
▼エリア別の実勢の利回り水準はこちらの記事で解説していますので、提示された利回りが市場実態と合っているかの確認にお役立てください。
報告されている主な詐欺・トラブルのパターンと、それぞれの対策を整理すると、以下のようになります。
| パターン | 対策 |
|---|---|
| ライセンス失効・無許可 | DLD公式サイト/Dubai RESTアプリで有効性を都度確認 |
| BRN番号の盗用 | 会社の代表電話へ直接連絡し在籍・本人確認 |
| エスクロー口座以外への送金 | 口座名義とDLD登録プロジェクトの一致を確認 |
| 非現実的な保証利回り | 市場平均との乖離・保証の法的根拠を確認 |
| 圧力販売 | 確認作業を優先し、急かされても即決しない |
出典:Real Estate Club Dubai「Dubai Property Scams 2026: 15 Real Cases & Protection Guide」
4-2 落とし穴⑥|「今すぐ決めないと」という圧力販売に流されてしまう
「24〜48時間以内に契約しないと価格が上がる」「この条件は今日限り」といった、判断を急がせる営業トークも、詐欺・トラブル事例で頻出するパターンです。
正規のプロジェクトであっても販売促進としてこうした表現が使われることはありますが、資金準備・書類確認・エスクロー口座の確認といった、これまでの章で解説してきた手順を飛ばしてまで契約を急ぐ必要は本来ありません。
急かされていると感じたら、一度立ち止まって確認作業を優先する姿勢が重要です。
契約後を見据えた落とし穴
5-1 落とし穴⑦|購入後のサポート体制を確認しないまま契約してしまう
契約時の対応がどれだけ丁寧でも、引き渡し後、あるいは日本に帰国した後の質問や手続きに対応してもらえなければ、実務上の負担は投資家自身にのしかかります。
日本語での対応が可能か、確定申告や国外財産調書など日本側の手続きについて相談できる体制があるか、賃貸管理・プロパティマネジメント会社の紹介まで一貫してサポートしてもらえるかは、契約前の段階で確認しておくべきポイントです。
契約時だけでなく、購入後何年にもわたって関係が続くパートナーを選ぶという視点を持つことをおすすめします。
5-2 参考|仲介手数料の相場感を知っておく
エージェントの提案内容が妥当かどうかを判断する材料として、仲介手数料の相場感も押さえておくとよいでしょう。
ドバイの売買仲介手数料は、一般的に売買価格の2%程度が目安とされています。日本の不動産取引に見られる「売主・買主双方から法定上限まで手数料を受け取る」といった慣行とは前提が異なるため、複数の名目で手数料を請求されている、あるいは相場から大きく外れた手数料を提示されている場合は、その内訳について遠慮なく質問することをおすすめします。
5-3 コラム|実際にあった大口投資詐欺の相談事例
ここまで紹介してきた落とし穴は、決して小さな金額の話にとどまりません。ドバイでは、書類の偽造まで伴う大口の投資詐欺が実際に裁判となった事例も報告されています(*7)。
ある事例では、シェイク・ザイード・ロード沿いの不動産会社で知り合った仲介担当者が、投資家に対しブルジュ・ハリファ近郊のホテル区分所有権の購入を持ちかけ、政府機関発行を装う偽造の領収書・契約書まで用意した上で、3回に分けて合計AED770万(約7.7百万ディルハム)の前払い金を受け取っていました。投資家が数年後に物件の登録状況を確認しようとしたところ、書類がすべて偽造であり、当該物件も登録されていなかったことが判明したというケースです。
この事例が示すのは、「政府機関の書式に似た書類が出てきたから安心」という判断が通用しないという点です。契約書や領収書に公的機関の印影やロゴが入っていても、それ自体は真正性の証明にはなりません。前述の通り、送金前にDLDへ直接確認する、エスクロー口座の口座番号を第三者的に照合するといった「地味な確認」を省略しないことが、金額の大小にかかわらず最後の防御線になります。
信頼できるエージェントを見分ける実践チェックリスト
エージェントの提案に沿って進める前に確認しておきたい項目を整理すると、以下のようになります。
| 確認項目 | 確認方法 |
|---|---|
| 会社のDLD登録 | DLD公式サイト/Dubai RESTアプリで会社名を検索 |
| 担当者個人のBRN番号 | 同アプリで担当者名・会社名・BRN番号の一致を確認 |
| 本人確認 | 会社の代表電話へ直接連絡して在籍確認 |
| 書面の代理契約 | Form A・Form B等の正式書面を取り交わす |
| 送金先口座 | DLD登録のエスクロー口座であることを個別確認 |
| 利回り・値上がり の謳い文句 | 市場平均(グロス約5.53%)との乖離を確認 |
出典:Truhauz「The RERA Broker Card in Dubai」、Real Estate Club Dubai「Dubai Property Scams 2026: 15 Real Cases」
上記のチェックリストは、いずれも特別な専門知識がなくても実行できる確認作業です。時間にして数十分程度の手間ですが、この確認を怠ったことで数百万円〜数千万円規模の被害につながった事例が実際に報告されています。面倒に感じても、必ず実行することをおすすめします。
アプリでの検索に加えて、DLDの問い合わせ窓口(800-4488)に電話して口頭で登録状況を確認する方法も有効です。デベロッパーやプロジェクトについても、Dubai RESTアプリの「Developers」「Projects」セクションで名称検索すれば、登録状況を確認できます(*5)。アプリでの確認と電話での確認を両方行うことで、なりすましのリスクをさらに減らせます。
失敗しないエージェント選びの結論

ここまでの内容を踏まえると、ドバイ不動産投資でエージェント選びに失敗しないためのポイントは、次の5点に集約されます。
- 会社のDLD登録だけでなく、担当者個人のRERAブローカーカード・BRN番号まで確認すること
- BRN番号が検証できても、会社への直接連絡で本人確認まで行うこと
- 書面の代理契約(Form A・Form Bなど)を必ず取り交わすこと
- 送金先がDLD登録のエスクロー口座であることを個別に確認すること
- 市場平均から乖離した保証利回りの謳い文句や、判断を急がせる圧力販売に流されないこと
これらはいずれも派手な話ではなく、地味な確認作業の積み重ねです。
しかし、この積み重ねこそが、これまでの章で解説してきた資金準備・税制・ビザ取得といった知識を、実際の投資成果につなげるための最後の砦になります。
万が一、被害に遭ってしまった場合の対処法
どれだけ慎重に確認しても、詐欺や重大なトラブルに巻き込まれる可能性はゼロにはできません。もし「エージェントや売主とのやり取りがおかしい」「送金後に連絡が取れなくなった」といった事態が起きた場合は、次の順序で対応することが推奨されています(*6)。
- 証拠を保全する——契約書、送金明細、メールやチャットのやり取り、担当者の名刺やBRN番号など、確認できる資料はすべてスクリーンショットや控えを残しておくこと
- それ以上の追加送金を止める——「今払えば取り戻せる」「追加費用を払えば手続きが進む」といった要求には応じないこと
- ドバイ警察(Dubai Police)に通報する——アプリまたは最寄りの警察署で被害届を提出できること
- DLD(ドバイ土地局)に虚偽の物件情報や不審な取引を報告すること
- RERAに対象のエージェント・仲介会社について苦情を申し立てること
- 現地の不動産取引に詳しい弁護士に相談する——被害額や状況によっては、民事・刑事の両面から回収や責任追及の手段を検討できること
重要なのは、被害に気づいた時点で時間を置かずに動くことです。送金から時間が経つほど資金の追跡や回収は難しくなるため、違和感を覚えた段階で早めに相談することをおすすめします。
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FAQ|エージェント選びについてよくある質問
- Q会社がDLD登録されていれば、担当者個人の資格は確認しなくても大丈夫ですか?
- A
いいえ。会社の商業ライセンスとは別に、個人の担当者はRERAのブローカーカードを保有している必要があります。会社が正規登録でも、担当者個人が無資格・失効しているケースが報告されています。
ブローカーカードを取得するには、DREI(Dubai Real Estate Institute)の研修(Certified Training for Real Estate Brokers)を修了した上で、RERAの試験に合格する必要があります。つまり正規のライセンスは一定の教育・試験プロセスを経て発行されるものです。
会社のDLD登録だけを確認して満足してしまうと、実際に取引を担当する個人が無資格であるケースを見逃してしまいます。会社と担当者個人、両方の登録状況を別々に確認する習慣をつけてください。
- QBRN番号を確認すれば、担当者本人であることは証明されますか?
- A
番号自体が検証できても、その番号を別人が盗用しているケースがあるため、番号確認だけでは不十分です。会社の代表電話への直接連絡による本人確認をおすすめします。
Dubai RESTアプリで検索できるのは「その番号が現在有効かどうか」という情報のみで、「目の前にいる人物がその番号の本人かどうか」までは確認できません。
アプリでの検索に加えて、DLDの問い合わせ窓口(800-4488)に電話して口頭で登録状況を確認する方法も有効です。アプリでの確認と電話での確認を両方行うことで、なりすましのリスクをさらに減らせます。
- Q口頭でのやり取りだけで契約を進めても問題ありませんか?
- A
信頼できるエージェントであれば、正式な書面の代理契約(Form A・Form Bなど)を取り交わします。書面のやり取りを省略しようとする相手には注意してください。
口頭だけでの合意は、後になって「言った・言わない」のトラブルに発展しやすく、法的な保護も受けにくくなります。
書面の代理契約には、手数料の金額・支払いタイミング・対象物件の範囲などが明記されるべきであり、内容が曖昧な契約書にサインを求められた場合も注意が必要です。
- Q「保証利回り」を提示された場合、どう判断すればよいですか?
- A
ドバイ全体の平均グロス利回りはおおむね5.53%程度です。これを大きく上回る「保証」をうたう場合は、保証の法的根拠や保証主体の信用力を必ず確認してください。
「保証利回り」をうたうスキームの多くは、実際にはデベロッパーが数年分の家賃相当額をあらかじめ販売価格に上乗せしているだけで、実質的な利回りは市場平均と変わらないケースが少なくありません。
保証をうたう場合は、その保証が誰によってどのような形で法的に担保されているのか(契約書上の文言、保証会社の実在性など)を必ず確認し、口頭の説明だけを鵜呑みにしないようにしてください。
- Q「今すぐ決めないと価格が上がる」と言われたら、どうすればよいですか?
- A
判断を急がせる営業トークは詐欺・トラブル事例で頻出するパターンです。資金・書類・エスクロー口座の確認を優先し、必要以上に急いで契約する必要はありません。
実際の市場では、特定の1区画だけが急騰するということは通常起こりにくく、「今すぐ」という圧力は交渉を有利に進めるための営業手法であることが多いです。
本当に良い条件の物件であれば、多少の検討時間を求めても取引が壊れることは考えにくく、逆に検討の時間を与えない業者ほど警戒が必要です。
- Q購入後のサポート体制は、どのタイミングで確認すればよいですか?
- A
契約前の段階で確認することをおすすめします。日本語対応の有無、確定申告等の日本側手続きへの相談体制、プロパティマネジメント会社の紹介まで含めて確認しておくと、購入後のトラブルを防げます。
契約後になって「サポート対象外だった」と分かるケースを避けるため、契約書にサポート内容が明記されているかどうかも確認しておくことをおすすめします。
特に日本人投資家にとっては、確定申告や国外財産調書の提出など、日本側での手続きに関する相談ができる窓口があるかどうかも、長期的な安心材料になります。
まとめ|「地味な確認」を怠らないことが最大の防御策
信頼できるドバイ不動産エージェントを選ぶために押さえておきたいポイントは、次の5点です。
- 会社の登録だけでなく、担当者個人のRERAブローカーカード・BRN番号を確認すること
- BRN番号の検証に加えて、会社への直接連絡で本人確認を行うこと
- 書面の代理契約を必ず取り交わすこと
- 送金先がDLD登録のエスクロー口座であることを個別に確認すること
- 市場平均から乖離した保証利回りや圧力販売に流されないこと
エージェント選びは、これまでの章で解説してきた資金準備・税制・ビザ制度の知識を実際の投資成果につなげる「最後の窓口」です。地味な確認作業を怠らないことが、結果として最も確実な防御策になります。
次に読むなら:ドバイ不動産市場の今を数字で読む|価格推移・取引件数を徹底解説
※本記事は情報提供を目的としたものであり、投資助言を目的とするものではありません。掲載データは2026年9月時点の情報に基づいています。
出典一覧
- Real Estate Club Dubai「Dubai Property Scams 2026: 15 Real Cases & Protection Guide」
- Truhauz「The RERA Broker Card in Dubai: Licensing and How to Verify an Agent」
- Real Estate Club Dubai「Dubai Property Scams: 15 Real Cases & How to Protect Yourself」(2026年3月28日)
- Driven Properties「How to Get a Real Estate Broker License in Dubai」
- Real Estate Club Dubai「Dubai Off-Plan Scams: How to Verify Developers & Protect Your Investment」
- Hlootah Law「What to Do If You Fall Victim to a Real Estate Scam in Dubai」
- Gulf News「Dh7.7 million property scam: Real estate agent flees Dubai after duping businessman in fake deal」
- Dubai Land Department「DLD fines 10 real estate companies and warns another 30 for not adhering to advertising requirements」
- Dubai Land Department「Twenty Two Real Estate Brokerage Firms Fined AED 900,000 for Violating Rules」
- Truhauz「Trakheesi Permit in Dubai: How to Verify a Property Listing」
- Dubai Land Department「Licensed Real Estate Brokers」公式ブローカー検索サービス(BITEXによる実地検証、2026年9月15日実施)



