DAMAC Propertiesとは?売上第2位のデベロッパー全解説【図解あり】

1-1 どんな企業?ドバイを代表する高級不動産デベロッパーの全貌

DAMAC Properties 基本情報
項目 詳細情報
創設年 2002年(創業者:フセイン・サジワーニ氏)
本社所在地 ドバイ、アラブ首長国連邦
親会社 DAMACグループ(1982年設立)
法人形態 非上場企業
従業員数 1,001~5,000名(100以上の国籍)
納品実績 46,000棟以上
開発中ユニット 33,000以上(15都市)
主要事業地域 ドバイ、リヤド、トロント、ロンドン、マイアミ

出典:DAMAC Properties Official: 「DAMAC Properties company information (2025)」、DAMAC Group Official: 「DAMAC Group company overview (May 2025)」

DAMAC Properties(ダマック・プロパティーズ)は、2002年にフセイン・サジワーニ氏によって創設された、ドバイを代表する高級不動産デベロッパーです。現在、46,000棟以上の住宅を納品し、15の都市にわたって33,000以上のユニットが開発中となっています(*1)。

DAMACグループは1982年に設立された親会社傘下で、非上場企業として運営されています。従業員数は100以上の国籍を持つ1,001~5,000名からなり、グローバルな専門知識と多様な視点を活用した開発体制を整えています。

ドバイ、リヤド、トロント、ロンドン、マイアミなど主要都市での大型プロジェクトを手がけており、国際的な投資家層から信頼を獲得しています。

1-2 DAMACが売上第2位を維持する理由とは

ドバイ不動産デベロッパー売上ランキング(2025年1月~8月)

出典:Engel & Völkers UAE: 「Top 10 Real Estate Developers in Dubai – 2025 Edition」(October 2025)

2025年1月~8月の期間において、DAMACはAED247億円(約988億円)の売上で市場第2位を確保しました(*2)。市場首位のEmaarはAED517億円(約2,068億円)、3位のSobhaはAED138億円(約552億円)であり、DAMACは安定した第2位の座を保持しています。

2025年上半期のDAMAC単体の決算では、営業収益がAED82億7,600万円に達し、前年同期比で60.6%の成長を記録しました(*3)。純利益はAED24億400万円で、57.5%の増加、利益率29%という高い収益性を示しています。同時期に11,080ユニットを販売、AED272億円(約1,088億円)の売上を達成していることから、スケーラビリティの高いビジネスモデルが浸透していることがわかります。

この第2位の地位は、ブランド力とマーケティング戦略、並びに顧客ニーズに対応した柔軟な開発計画の結果といえます。

1-3 創業者フセイン・サジワーニ氏と企業成長の歩み

フセイン・サジワーニ氏と DAMAC の成長史
マイルストーン 概要
1956年 誕生 ドバイで生まれる
1970年代 教育 ワシントン大学で産業工学を学ぶ
1981年 キャリア開始 アブダビガス工業 経理部門でスタート
1982年 起業 DAMACグループ設立(ケータリングビジネス)
2001年 市場機会 ドバイ、外国人への不動産所有権を開放
2002年 DAMAC創設 DAMAC Properties 創業(高級不動産開発に特化)
2025年 実績 46,000棟以上納品、資産US$102億円(約1兆360億円)

出典:Hussain Sajwani Official Website: 「Biography – Founder & Chairman DAMAC Properties (March 2018)」、CBNME Power Hour: 「Hussain Sajwani profile (August 2024)」、Forbes: 「Billionaire Ranking Data (2025)」

フセイン・サジワーニ氏は1956年にドバイで生まれ、ワシントン大学で産業工学を学びました。1981年にアブダビガス工業の経理部門でキャリアをスタートさせ、1982年には米国軍やベクテルグループを顧客とするケータリングビジネスを立ち上げました(*4)。

2002年、ドバイが外国人への不動産所有権を開放したという歴史的機会を捉えて、DAMACプロパティーズを創設しました。この戦略的なタイミングが、後の大規模な国際投資家層の獲得につながることになります。

現在、サジワーニ氏の資産価値はUS$102億円(約1兆360億円)に達すると評価され、アラビア系最富豪層の一人として認識されています(*5)。


DAMAC Properties代表プロジェクト2025|高級デザイナーズ物件の事例

2-1 DAMAC Hills|高級ヴィラが並ぶ象徴的マスタープラン

DAMAC Hillsは、4,200万平方フィートの広大な敷地を有し、ドバイ随一のゴルフコミュニティとして知られています(*6)。敷地内にはトランプ・インターナショナル・ゴルフクラブ・ドバイが配置され、18ホールの世界水準のコースが完備されています。

コミュニティには400万平方フィートの公園スペースが確保されており、庭園、湖、スケートパーク、厩舎、スポーツ施設といった多様なアメニティが備わっています。Carrefourスーパーマーケット、ジベルアリスクール、美容サロン、グリーンゾーン園芸販売施設、モール・オブ・エミレーツへのシャトルサービスなど、日常生活に必要な施設が揃っています。

ウム・スエイム・ロード沿いに位置し、シェイク・モハンマド・ビン・ザイード・ロードとアル・カイル・ロードへのアクセスが容易です。2024年7月には、ドバイ交通局がDA2バスルートを開設し、DAMAC Hillsからドバイ・スタジオ・シティまでの定期運行を開始、AED5(約200円)の定額料金で2時間間隔での運行が実現しました。

2-2 Cavalli Tower|世界的ブランド提携が生む象徴的デザインタワー

Cavalli Towerは、ドバイ・マリーナに立地する70階建てのタワーで、世界初かつ唯一のロベルト・カヴァーリ・ブランデッド・タワーです(*7)。ロベルト・カヴァーリ・ファッションハウスとのコラボレーションにより、インテリア設計全般を監修されています。

建物内部はロベルト・カヴァーリのシグネチャースタイルで統一され、ロビーには屋内滝と水景観が配置され、優雅な空間演出がなされています。

合計485ユニットの住戸が配置され、3つのレベルに分かれています。標準ラグジュアリー(4~37階)、アッパーラグジュアリー(38~47階)、プライベートプール、バーベキューエリア、ハイドロポニック壁を備えた「フライング・ヴィラズ」で構成されています。

5つ星のウェスティン・ドバイ・ミナ・セイヤヒ・ビーチ・リゾート&マリーナの前面に位置し、パーム・ジュメイラ、ブルジュ・アル・アラブ、アイン・ドバイなどのドバイを象徴する景観が見渡せます(*8)。

2-3 DAMAC Lagoons|リゾートライフを体現する象徴的レジデンスエリア

DAMAC Lagoonsは、約450万平方メートルのメディテラニアン・テーマのウォーターフロント・コミュニティで、DAMAC Hillsの対面に立地します(*9)。

モロッコ、サントリーニ、ヴェネツィア、コスタ・ブラバ、マルタ、ポルティーノ、アンダルシア、ニースという8つのメディテラニアン風情クラスターがテーマ別に配置されており、クリスタル・ラグーン、砂浜、ウォーターパークといった海洋アメニティが完備されています。

DAMAC Lagoons プロジェクト概要
カテゴリー 詳細
敷地面積 45百万平方フィート(約4.5百万㎡)
テーマクラスター 8つ(ヴェネツィア、モロッコ、サントリーニ等)
総規模 230万㎡、9,000棟以上のヴィラ
建設進捗(2023年10月) 20%完成、6,459棟建設中
新規ローンチ Lagoon Views(2024年1月)2,071ユニット
予定納期 Q3 2026~Q3 2027
建設投資 AED70億円(約280億円)
環境認証 UAE初のLEED Platinum認証取得予定

出典:DAMAC Properties Official Press Releases via Zawya & Knight Frank Q3 2024 Report: 「DAMAC’s latest master community, DAMAC Lagoons, on track (October 2023)」

2023年10月時点で20%の完成度に達しており、13クラスター中6,459棟のヴィラが建設中です。2024年1月のLagoon Views新規ローンチでは、Q3 2026~Q3 2027での納期を予定しており、総規模230万平方メートルで9,000棟以上のヴィラを計画しています。

建設には日次14,000人以上の労働力が投入され、AED70億円(約280億円)の建設契約が確定しました。UAEで初めてLEED Platinum認証取得予定の持続可能なコミュニティとして、2024~2029年のパイプラインで10,733ユニットの納期が予定されており、ドバイの新規供給トップ5副市場の一角を占めています。


DAMAC Propertiesのメリット|高級デザイナーズ物件デベロッパーの強み

3-1 世界的デザイナーズブランドとの提携で高付加価値を実現

DAMAC Propertiesは、ロベルト・カヴァーリ、デ・グリゾゴーノ、フェンディ、パラマウント、ヴェルサーチ、トランプ・オーガナイゼーション、ズハイル・ムラドといった世界的ブランドとの10年以上にわたるコラボレーション実績を保有しています(*10)。

現在進行中の7つのブランデッド・プロジェクトには、Cavalli Tower、DAMAC Bay by Cavalli、Cavalli Couture、Safa One by de Grisogono、Safa Two by de Grisogono、Elegance Tower by Zuhair Murad、DAMAC Chic Towerが含まれます。

フェンディ・カーサとのパートナーシップでは、DAMAC Esclusiva Luxury Serviced Apartments(リヤド、150m超のタワー、100ユニット以上)とDAMAC Residenze Dubai Marina(ドバイ・マリーナ)の両プロジェクトが、フェンディのインテリアデザイン・コンセプト全面監修で完成しています。

ヴェルサーチ・ホームやフェンディ・カーサとのパートナーシップは、30年以上のインテリアデザイン遺産を活用し、「限定版不動産」という独自のポジショニングを実現しています。ラグジュアリー・ファッションブランドと不動産開発をマージすることで、洗練された投資家層をターゲットとした高付加価値商品が生成されています。

ブランドコラボ戦略を採用する他のデベロッパーについては、こちらで詳しく書いています↓

3-2 外国人投資家にも人気の立地戦略と販売実績

ドバイは2024年に110,000人の新規投資家を獲得し、前年比55%の増加を記録しました(*15)。総取引件数226,000件、総取引額AED761億円(約3,044億円)で、取引量36%増、取引価値20%増となっています。

2025年第1四半期では、住宅取引量が前年比23%増加し、オフプラン取引が33%増、完成物件が5%増という圧倒的なオフプラン需要が確認されています(*16)。総取引額AED115億円(約460億円)のうち、オフプラン取引がAED79億円(約316億円、69%)、完成物件がAED36億円(約144億円、31%)となり、投資家の新規プロジェクト選好が明確です。

DAMACは戦略的立地としてBusiness Bay、ドバイ・マリーナ、DAMAC Hills、ダウンタウン・ドバイ近郊などのプライム地区に集中投資しており、これらはいずれも高需要エリアです(*17)。

ドバイ・マリーナエリアについては、こちらで詳しく書いています↓


DAMAC Propertiesのデメリット|デベロッパー選定で知るべき真実

4-1 プロジェクトによって完成時期に差が出るリスク

DAMACは平均6~8ヶ月の完成遅延を記録する傾向にあり、Nakheel、Azizi、ジュメイラ・ゴルフ・エステートと並んで、遅延リスクが相対的に高いデベロッパーの一つです(*18)。

DAMAC契約条項では、当初計画の完成予定日から最大24ヶ月の延長が許容されており、この条項により投資家が想定外の待機期間に直面する可能性があります(*19)。

UAE法では、予定完成日から1年以内の納期であれば補償は不要ですが、1年を超過した場合は補償が義務付けられます(*20)。過去のDAMACプロジェクトの中には8~10年の長期完成期間を経たものがあり、最大4年の遅延記録もあります(*21)。建築費上昇と労働力制約が建設遅延リスク要因として指摘されています(*22)。

4-2 プロジェクト間での転売流動性にばらつきが出る

DAMAC物件の転売市場における流動性は、プロジェクトの立地とブランド評価に強く依存します。DAMAC Hillsのような確立された立地では流動性が高く、市場需要が安定していますが、ニッチなテーマクラスターでは購買層が限定され、転売時の価格変動リスクが増加します(*23)。

立地戦略の好悪がプロジェクト間で異なるため、同社の物件でありながらも二次市場での評価にばらつきが生じています。東湾地域では売却容易性が高い傾向にある一方で、内陸部クラスターではマッチング期間が長くなる傾向が報告されています(*24)。

投資家は購入時点で当該プロジェクトの長期的な市場ポジションを慎重に検討する必要があります。特にオフプラン段階での購入は、完成後の実際の立地評価と初期期待とのギャップが起こり得るため、注意が必要です。

4-3 他社よりも価格帯が高く、利回りが低く見える場合がある

DAMACは高級ブランド提携による付加価値を理由に、同一エリアの他社物件よりも高価格設定を採用する傾向があります。Emaarと比較すると、Emaarはプレミアム立地での2倍価格設定を採用する傾向があるのに対し、DAMACはブランド・コラボレーション価値の上乗せにより中程度~高程度の価格帯に位置しています(*25)。

DAMAC Hills の平均賃貸利回りは、スタジオで7~8%、1ベッドルーム6.5~7.5%、2ベッドルーム6~7%、タウンハウス5.5~6.5%、ヴィラ5~6%となっています(*26)。比較として、アラビアン・ランチャーズ4.05%、ドバイ・ヒルズ・エステート4.84%、ジュメイラ・ビレッジ・サークル5.71%であり、DAMAC Hillsは中位~上位の利回り水準ですが、ブランド・プレミアムを考慮すると利回りが相対的に低く見える場合があります(*26)。

超高級層向けのブランデッド物件(Cavalli Tower等)では、さらに高い価格設定がなされており、利回りの低さが顕著です。

4-4 物件管理費やサービスチャージの確認が必須

ドバイのサービスチャージは一般的に1平方フィートあたりAED3~30(約120円~1,200円)の範囲内ですが、物件タイプ、立地、設備によって大きく異なります(*27)。

DAMAC Hillsではクラスター間でサービスチャージに大きな段差があり、Golf Terraceなどは施設充実度に応じて高い負担が発生し、DAMAC Hills 2はより少ない設備のため低めの負担となっています。

サービスチャージには、保守管理、公益事業(水道・電気)、保険、将来の大規模修繕のための積立金(sinking fund)、建物管理サービス、セキュリティが含まれます。東京の分譲マンション管理費とは異なり、光熱費分を含む一括徴収となる点に注意が必要です。

ドバイ陸地局(DLD)は公式サービスチャージ計算機をウェブサイトに公開しており、購入前に具体的な負担額を試算することが推奨されます。


FAQ|DAMAC Propertiesについてよくある質問

Q
DAMAC Propertiesはなぜ世界の投資家から選ばれているの?
A

DAMACは国際的に認知されたブランドであり、95%のオンタイム納期達成実績で信頼を獲得しています。

2002年からの46,000ユニット納品実績が投資家の信頼基盤となっており、33,000ユニットの開発パイプラインが継続的な成長を示しています。ドバイは2024年に110,000人の新規投資家を獲得し、55%の投資家増加を達成しており、DAMAC物件はその受け皿の一部として機能しています。

ヴェルサーチ、カヴァーリ、フェンディといったブランド・コラボレーション、柔軟な支払いプラン(60/40~80/20構成)、税制優遇、AED200万円以上(約8,000万円)投資でのゴールデン・ビザ適格性が、投資選択肢として機能しており、一般的に年6~8%の賃貸利回り、プライムロケーションでの年10~15%のキャピタル・アプリシエーション見込みが投資判断の根拠となっています。

Q
DAMAC物件を購入する時にかかる費用や注意点は?
A

物件購入時には、ドバイ陸地局(DLD)手数料が購入価格の4%プラスAED580(約23,200円)となり、登録手数料がAED2,000~4,000(約80,000~160,000円)プラス5% VAT、仲介手数料が2%プラス5% VAT発生します)。

その他、頭金20~25%、書類作成費AED6,000~10,000(約240,000~400,000円)、住宅ローン手数料1%プラス5% VAT、物件評価費AED2,500~3,500(約100,000~140,000円)プラス5% VAT が必要です。総取得原価は通常、表示価格の7~10%を上回ります(*32)。DAMACの支払いプランは一般的に60/40構成(頭金20%、建設中支払い40%、完成時支払い40%)となっており、長期の支払い猶予が可能です。

Q
DAMACとEmaarなど他社デベロッパーの違いはどこ?
A

時価総額ではEmaar AED1,197億円(約4,788億円)に対しDAMAC AED87億円(約348億円)と大きな差があり、事業歴ではEmaarが1997年設立(28年)、DAMACが2002年設立(23年)です。

市場戦略ではEmaarが混合用途メガコミュニティと象徴的ランドマーク(ブルジュ・カリファ、ドバイ・モール)に集中し、プレミアム価格設定を採用する一方、DAMACはラグジュアリー・ブランデッド・レジデンスと設計者コラボレーションに特化し、より廉価な参入ポイントを提供しています。

支払いプランではDAMACが柔軟構造(頭金10%、5年プラン対応)を提供する傾向に対し、Emaarは完成後40%支払い構造が一般的です。リセール価値ではEmaarが立地・信用度のプレミアムで高い再売却価値を有し、DAMACは1平方フィートあたり価格では有利ですが長期的なキャピタル・アプリシエーション傾向はEmaarが上回ります。

Emaar Propertiesについては、こちらで詳しく書いています↓


まとめ|DAMAC Properties物件購入は慎重な検討が必要

DAMAC Propertiesは、ドバイの第2位のデベロッパーとして46,000ユニットの納品実績と2025年上半期で60.6%の成長率を達成し、国際的な信頼性を構築しています。ブランド・コラボレーション、高い納期達成率(95%)、多様な立地戦略により、グローバル投資家層から選好されています。

一方で、平均6~8ヶ月の完成遅延リスク、プロジェクト間での転売流動性のばらつき、ブランド・プレミアムに基づく相対的に高い価格帯など、投資判断時に慎重な検討が必須な要素も併存しています。

物件購入前には、当該プロジェクトの立地評価、サービスチャージの具体的試算、DAMAC独自の支払いプラン構成、長期保有での出口戦略を総合的に検討することが、投資リスクの最小化につながります。

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