ドバイの平均年収とは?職種別・国籍別の全体像【図解あり】

1-1 ドバイの給与水準と生活レベルの関係

ドバイの給与水準と生活費の目安(2024-2025年)
項目 月収
平均月収 15,800 AED
(約65万円)
中央値月収 13,800 AED
(約57万円)
最低月収 4,810 AED
(約20万円)
最高月収 99,000 AED
(約408万円)
月間生活費の目安
単身者(最低) 5,300 AED
(約22万円)
単身者(標準) 9,800 AED
(約40万円)
家族4人(最低) 21,000 AED
(約87万円)
家族4人(標準) 43,500 AED
(約179万円)

出典:Cooper Fitch: 「UAE 2025 Salary Guide (December 2024)」、Kotook: 「Cost of Living in Dubai: 2025 Complete Guide for Singles (September 2025)」

ドバイの平均月収は15,800AED(約65万円)で、年収に換算すると約190,000AED(約783万円)となります(*1)。ただし、この数字は平均値であり、実際の給与分布には大きな幅があります。

中央値は13,800AED(約57万円)で、これは人口の半分がこの金額以下の収入であることを示しています。月収の範囲は最低4,810AED(約20万円)から最高99,000AED(約408万円)まで分布しており、職種や国籍によって収入差が顕著です。

ドバイでは所得税がかからないため、額面がそのまま手取りとなる点が大きな特徴です。この税制優遇により、同じ年収でも他国と比較して実質的な可処分所得が高くなります。

単身者の場合、月間生活費は住居・食費・交通費を含めて5,300〜9,800AED(約22万〜40万円)が目安とされています(*2)。つまり、平均月収の15,800AED(約65万円)であれば、基本的な生活を送りながら貯蓄も可能な水準といえます。

一方で、家族4人の場合は月間生活費が21,000〜43,500AED(約87万〜179万円)となり、特に子供の教育費や広い住居を必要とする家族世帯では、より高い収入が求められます。

1-2 外国人とUAE国民の年収差

国籍別・職種別の月収比較(2024年)
職種 国籍区分 月収 (AED) 月収 (円) 格差率
HRマネージャー UAE国民 28,000 約115万円 +27%
外国人 22,000 約91万円
建設PM
(プロジェクト
マネージャー)
西欧系 55,230
(15,072ドル)
約220万円 +58%
アジア系 34,850
(9,513ドル)
約139万円
看護師 欧州系 12,000 約49万円 +100%
以上
東南アジア系 6,000未満 約25万円未満

出典:LinkedIn: 「Equal Pay for UAE Nationals and Expats – Myth or Reality? (April 2025)」、Gulf Migration Research Center: 「UAE: Nationality-based Salary Comparison (2017)」、Journey2MyLife: 「Expat vs. Local Pay in the UAE (June 2025)」

ドバイの給与構造には、UAE国民と外国人の間に明確な格差が存在します。2024年の業界調査によると、UAE国民は同職種の外国人と比較して平均15〜25%高い収入を得ていることが報告されています(*3)。

具体的には、HRマネージャーの場合、国民が月収28,000AED(約115万円)であるのに対し、外国人は22,000AED(約91万円)となっています。

この格差の背景には、政府が推進するEmiratisation政策があります(*4)。この政策は、自国民の雇用を促進するため、企業に対して一定割合のUAE国民雇用を義務付けるもので、企業は国民向けの補助金制度であるNafisプログラムを活用することで、より高い給与を支払うことが可能となっています。

外国人の間でも国籍による収入差が存在します。建設プロジェクトマネージャーの場合、西欧系は月収15,072ドル(約220万円)であるのに対し、アジア系は9,513ドル(約139万円)と、約30〜40%の差があります(*5)。医療分野でも同様で、同じ病院で働く欧州系看護師が月収12,000AED(約49万円)を得る一方、東南アジア系看護師は6,000AED(約25万円)未満となるケースも報告されています(*6)。

1-3 主要業界ごとの平均年収比較

国籍別・職種別の月収比較(2024年)
職種 国籍区分 月収 (AED) 月収 (円) 格差率
HRマネージャー UAE国民 28,000 約115万円 +27%
外国人 22,000 約91万円
建設PM
(プロジェクト
マネージャー)
西欧系 55,230
(15,072ドル)
約220万円 +58%
アジア系 34,850
(9,513ドル)
約139万円
看護師 欧州系 12,000 約49万円 +100%
以上
東南アジア系 6,000未満 約25万円未満

出典:LinkedIn: 「Equal Pay for UAE Nationals and Expats – Myth or Reality? (April 2025)」、Gulf Migration Research Center: 「UAE: Nationality-based Salary Comparison (2017)」、Journey2MyLife: 「Expat vs. Local Pay in the UAE (June 2025)」

ドバイの主要業界別の年収水準には、業界特性によって大きな差があります。IT業界は最も高収入の分野の一つで、平均年収は340,000AED(約1,402万円)に達します(*7)。ソフトウェアエンジニアの場合、年収レンジは240,000〜420,000AED(約989万〜1,731万円)と幅広く、経験年数やスキルセットによって大きく変動します。

金融業界の平均年収は240,000AED(約989万円)で、特に投資銀行家は月収40,000〜70,000AED(約165万〜289万円)の高収入を得ています。医療業界の平均年収は250,000AED(約1,031万円)で、外科医クラスになると月収50,000〜90,000AED(約206万〜371万円)に達します(*8)。

不動産業界も高収入分野として知られており、最高経営責任者クラスでは月収132,000〜263,000AED(約544万〜1,084万円)という極めて高い水準が報告されています(*1)。一方、観光・サービス業界は比較的収入が低めで、一般的なポジションでは月収5,000〜15,000AED(約21万〜62万円)程度となっています。

ドバイの職種別平均年収

ドバイ主要職種別の年収一覧(2024-2025年)
職種 年収(円)
金融・不動産・IT業界
投資銀行MD 4,900〜7,800万円
金融アナリスト 1,400万円
開発責任者 6,500〜1.3億円
AI・機械学習 1,440〜3,710万円
セキュリティ 1,150〜2,890万円
医療・教育など専門職
医師(平均) 2,680万円
外科医・専門医 2,470〜4,450万円
看護師 860万円
教師(平均) 790万円
保健省職員 320万円
管理職・エンジニア
製造業MD 5,100〜7,020万円
GM 1,430万円
PM 1,010万円
SWエンジニア 980〜1,730万円
土木エンジニア 400〜790万円
機械エンジニア 440〜650万円

【補足】金額は2024-2025年の市場データに基づく年収換算です。為替レートは1AED=約41円で計算。MD=マネージングディレクター、GM=ゼネラルマネージャー、PM=プロジェクトマネージャー、SW=ソフトウェアの略。

出典:Cooper Fitch: 「UAE 2025 Salary Guide (December 2024)」、Leverage Edu: 「Healthcare & Education Salaries Dubai (August 2025)」、Time Doctor: 「Dubai Professional Salaries by Role (August 2024)」、SIEC India: 「Highest Paying Jobs in Dubai (August 2025)」

2-1 金融・不動産・観光・IT業界の平均年収

金融業界では役職によって収入に大きな差があります。投資銀行のマネージングディレクターは月収99,000〜157,000AED(約408万〜647万円)という高額な報酬を得ています(*1)。一般的な金融アナリストでも月収8,000ドル(約117万円)程度は期待でき、MBA取得者や国際的な金融資格を持つ専門家はさらに高い収入を得ることが可能です(*9)。

不動産業界の最高開発責任者は、月収132,000〜263,000AED(約544万〜1,084万円)と、全職種の中でも最高水準の報酬を得ています。ドバイの不動産市場は近年急成長しており、開発プロジェクトの規模が大きいことから、経験豊富な開発責任者への需要が高まっています。

IT業界では、AI・機械学習専門家の年収が350,000〜900,000AED(約1,443万〜3,710万円)と極めて高く設定されています(*10)。サイバーセキュリティの専門家も年収280,000〜700,000AED(約1,154万〜2,885万円)と高収入です。

これらの職種は世界的に人材不足が続いており、ドバイでも高額報酬で優秀な人材を獲得しようとする企業が増えています。

2-2 医療・教育など専門職の平均年収

医療分野の給与水準は、職種と専門性によって大きく異なります。医師全体の平均年収は650,800AED(約2,684万円)と高水準です(*8)。特に外科医や専門医は月収50,000〜90,000AED(約206万〜371万円)を得ており、医療資格と経験年数に応じて収入が増加します。

一方、看護師の平均年収は209,500AED(約863万円)で、月収に換算すると約12,600AED(約52万円)となります(*11)。

政府系医療機関で働く保健省職員の平均年収は77,279AED(約318万円)と、民間病院と比較して低めに設定されています(*12)。ただし、政府部門では安定した雇用と各種手当が提供されるため、総合的な待遇を考慮する必要があります。

教育分野では、教師の平均年収は192,000AED(約791万円)です。インターナショナルスクールの教師は月収12,400AED(約51万円)程度が一般的ですが、管理職や校長クラスになると月収30,000AED(約124万円)以上を得るケースもあります。

教育業界全体の平均年収は108,000AED(約445万円)と、一般教師より低い数字になっているのは、事務職や補助スタッフが平均を下げているためです。

2-3 管理職・エンジニアの平均年収

管理職の給与水準は、業種と企業規模によって大きく変動します。

製造業のマネージングディレクターは月収103,000〜142,000AED(約425万〜585万円)という高額報酬を得ています(*1)。ゼネラルマネージャーの平均月収は28,900AED(約119万円)、プロジェクトマネージャーは20,500AED(約84万円)が相場です(*11)。

エンジニア職の給与は専門分野によって差があります。土木エンジニアの月収は8,000〜16,000AED(約33万〜66万円)、機械エンジニアは9,000〜13,000AED(約37万〜54万円)が一般的な範囲です。

一方、IT系エンジニア、特にソフトウェアエンジニアは月収20,000〜35,000AED(約82万〜144万円)と、伝統的なエンジニア職より高い収入を得ています(*7)。

管理職やエンジニアの収入を左右する要素は、経験年数だけでなく、国際的なプロジェクト管理資格や技術認定の有無も大きく影響します。PMPやMBAなどの資格を持つ管理職は、同じ役職でも20〜30%高い給与を得る傾向があります。

ドバイの平均年収を日本円で見るといくら?

3-1 為替レートから見る円換算の目安

2024年の平均為替レートは、1AED=41.25円で推移しました(*13)。この為替レートを基準にすると、ドバイの平均月収15,800AEDは約65万円、年収では約783万円に相当します。

円換算で考える際の注意点は、為替変動が実質的な購買力に影響を与えることです。例えば、月収15,000AEDの場合、為替レート44.03円では約66万円相当ですが、38.31円では約57万円相当となり、同じ給与でも円換算で約9万円の差が生じます。

日本から移住や赴任を検討する際は、為替変動リスクも考慮に入れる必要があります。

また、ドバイでは所得税がゼロであることを考慮すると、実質的な手取り収入は日本の同等給与より高くなります。日本で年収783万円の場合、所得税と住民税で約100万円が差し引かれますが、ドバイでは全額が手取りとなるため、実質的には日本の年収900万円相当の購買力があると考えることができます。

3-2 物価や生活費とのバランス

ドバイでの生活費は、家族構成とライフスタイルによって大きく異なります。

単身者の場合、住居・食費・交通費を含めた月間生活費は5,300〜9,800AED(約22万〜40万円)が一般的です(*2)。内訳としては、1ベッドルームの住居費が2,500〜5,000AED(約10万〜21万円)、食費が1,000〜1,500AED(約4万〜6万円)、交通費が300〜800AED(約1万〜3万円)となっています(*14)。

家族4人世帯の月間生活費は21,000〜43,500AED(約87万〜179万円)と大幅に増加します(*2)。特に教育費の負担が大きく、私立学校の授業料は年間8,000〜120,000AED(約33万〜495万円)、月割りにすると2,000〜8,000AED(約8万〜33万円)かかります。食費は家族4人で月3,500〜5,000AED(約14万〜21万円)、交通費は1,500〜2,500AED(約6万〜10万円)が目安です。

電気代は季節によって変動が大きく、特に夏季はエアコン使用により月300〜1,200AED(約1万〜5万円)かかります(*14)。

平均月収15,800AEDの場合、単身者であれば生活費を差し引いても月6,000〜10,500AED(約25万〜43万円)の貯蓄が可能ですが、家族世帯では生活費だけで収入の大部分を消費することになります。

3-3 年収別の生活イメージ比較

年収レベルによって、ドバイでの生活スタイルは大きく変わります。

年収レベル別の生活スタイル比較(2025年)
所得層 年収 居住エリア 年間
住居費
低所得層 6〜12万AED
(247〜495万円)
インターナショナル
シティ、DIP
2.5〜5万AED
(103〜206万円)
中所得層 12〜24万AED
(495〜989万円)
JLT、
ビジネスベイ
5〜12万AED
(206〜495万円)
高所得層 24万AED〜
(989万円〜)
ダウンタウン、
マリーナ
12〜25万AED
(494〜1,030万円)
生活スタイルの特徴
低所得層 基本的な生活は可能だが外食・娯楽は限定的
中所得層 適度な外食・レジャーと貯蓄が両立可能
高所得層 高級レストラン(300〜500AED/回)、余裕ある生活と投資が両立

【補足】JLT=ジュメイラ・レイク・タワーズ、DIP=Dubai Investment Parkの略。高所得層の交通費は月3,000〜6,000AED(約12万〜25万円)。為替レート1AED=約41円で計算。

出典:Stratrich: 「Cost of Living Dubai Expats 2025 (September 2025)」、Kotook: 「Cost of Living in Dubai: 2025 Complete Guide (September 2025)」

年収60,000〜120,000AED(約247万〜495万円)の低所得層は、主にInternational CityやDubai Investment Parkなどの郊外エリアに居住し、住居費は年間25,000〜50,000AED(約103万〜206万円)です(*14)。このレベルでは基本的な生活を送ることができますが、外食や娯楽は限定的になります。

年収120,000〜240,000AED(約495万〜989万円)の中所得層は、JLTやBusiness Bayなどの中級エリアに居住可能で、住居費は年間50,000〜120,000AED(約206万〜495万円)となります。このレベルでは、適度な外食や週末のレジャーを楽しみながら、毎月の貯蓄も可能です。子供1人の教育費を賄うこともできますが、複数の子供がいる場合は家計が厳しくなります。

年収240,000AED(約989万円)以上の高所得層は、Downtown DubaiやDubai Marinaなどの高級エリアに住むことができます。住居費は年間120,000〜250,000 AED(約494万〜1,030万円)が一般的で、2〜3ベッドルームの広い物件やプレミアム物件を選択するケースが多くなります。高級レストランでの食事は1回300〜500AED(約1万〜2万円)、交通費は月3,000〜6,000AED(約12万〜25万円)かかりますが、余裕のある生活と貯蓄・投資を両立できるレベルです。

ドバイで年収が高い業界とその理由

4-1 高収入を生む成長産業の特徴

ドバイで高収入を得られる業界には、明確な成長トレンドがあります。

2024年の給与上昇率は平均4〜7%で、特に技術分野とライフサイエンス分野では年間4.0〜4.2%の昇給が実現しています(*15)。高成長分野として注目されているのは、不動産金融ヘルスケアテクノロジーの4分野です(*16)。

これらの業界が高収入を生む背景には、ドバイ政府の経済多角化戦略があります。石油依存からの脱却を目指し、知識集約型産業やイノベーション産業への投資を強化しているため、該当分野の専門人材への需要が高まっています。

2024年の調査では、71%の企業が年間ボーナス支給を予定しており、組織の50%以上が給与増額を計画していることが明らかになりました。

Emiratisation政策も給与水準に影響を与えています。政府は自国民の雇用促進のため、民間企業に一定割合のUAE国民雇用を義務付けており、企業は優秀な国民人材を確保するために競争的な給与を提示しています。この政策により、該当業界全体の給与水準が底上げされる効果も生じています。

4-2 外国人が高給を得やすいポジション

外国人が高給を得やすいポジションには、特定の傾向があります。

金融、技術、経営コンサルティング分野では、特に西欧系外国人の需要が高く、同職種でアジア系より30〜40%高い収入を得ています(*4)。建設プロジェクトマネージャーの場合、西欧系は月収15,072ドル(約220万円)であるのに対し、アジア系は9,513ドル(約139万円)です(*5)。

この格差の背景には、言語能力と国際的なネットワークの違いがあります。ドバイは国際ビジネスハブとして機能しているため、英語を母国語とし、欧米の商習慣に精通した人材への需要が高いのです。また、多国籍企業の経営層は西欧系が多く、同じバックグラウンドを持つ人材が採用されやすい傾向もあります。

ただし、IT分野やエンジニアリング分野では、国籍による差が縮小しています。技術力と実績が重視されるため、インド系やアジア系のエンジニアでも高収入を得るケースが増えています。

特にAI・機械学習やサイバーセキュリティなどの先端技術分野では、国籍よりもスキルセットが収入を決定する傾向が強まっています。

4-3 年収を左右するスキル・資格

ドバイで高収入を得るためには、特定のスキルと資格が重要です。

医療分野では、MBBS、MD、専門医資格を持つ医師は年収1,200,000〜2,500,000AED(約4,950万〜1億310万円)を得ることができます(*10)。これらの資格は国際的に認められており、特に欧米で取得した医療資格は高く評価されます。

金融業界では、MBA Finance、CFA、CPAなどの資格が重視され、投資銀行家はこれらの資格により年収600,000〜1,300,000AED(約2,475万〜5,363万円)を得ています。特にCFAは資産運用やポートフォリオ管理の分野で必須とされ、資格取得により給与が20〜30%上昇するケースも報告されています。

IT分野では、CISSP、CISM、AI・データサイエンス修士などの認定が高収入につながります。

これらの資格を持つ専門家は年収350,000〜900,000AED(約1,443万〜3,710万円)を得ており、特にサイバーセキュリティ分野の需要が急増しています。プログラミング言語の習熟度も重要で、Python、Java、C++などの複数言語を扱えるエンジニアは、単一言語のみのエンジニアより平均30%高い収入を得ています。

ドバイの富裕層と一般層の年収格差【現地データ付き】

5-1 富裕層・中間層・労働層の年収差

ドバイには極端な所得格差が存在しています。

2025年の調査によると、ドバイには81,200人のミリオネア(純資産100万ドル以上)、237人のセンチミリオネア(純資産1億ドル以上)、20人のビリオネア(純資産10億ドル以上)が居住しています(*17)。2024年だけで7,200人の富裕層が新たに流入し、前年比53%増という急激な増加を記録しました(*18)。

富裕層の国籍構成は、インド系が31%と最も多く、次いで中東系20%、ロシア・CIS圏14%、英国・欧州12%となっています。これらの富裕層の多くは、不動産投資、金融、テクノロジー分野で財を成しており、年収は数千万円から数億円に達します。

一方、労働層の48.8%は月収1,000〜2,499AED(約4万〜10万円)の低所得層に分類されています。これらの労働者は主に建設業、小売業、サービス業に従事しており、最低限の生活を送るのが精一杯の状況です。

中間層は月収10,000〜25,000AED(約41万〜103万円)で、全体の約30%を占めますが、この層も生活費の上昇により経済的な余裕は限定的です。

5-2 エリア別の生活費と格差の実態

ドバイの居住エリアは、所得層によって明確に分かれています。

高級エリアのDowntown Dubaiでは、1ベッドルームの月額家賃*6,000〜9,000AED(約25万〜37万円)です(*2)。このエリアには富裕層が集中しており、世界一高いビルであるブルジュ・ハリファを含む高級物件が立ち並んでいます。

中級エリアのJLTやBusiness Bayでは、1ベッドルームの年間家賃が50,000〜80,000AED(約206万〜330万円)となります(*14)。このエリアは中所得層の外国人専門職が多く居住し、ビジネス街へのアクセスも良好です。

低コストエリアのInternational CityやDubai Investment Parkでは、1ベッドルームの年間家賃が25,000〜50,000AED(約103万〜206万円)です。このエリアには低所得層の労働者が多く居住していますが、都心部への通勤時間が長く、生活インフラも限定的です。

住居費だけを見ても、高級エリアと低コストエリアでは3〜4倍の格差があり、所得による居住地の分離が顕著です。

5-3 格差を生む背景と経済構造

ドバイの所得格差を生む根本的な背景には、二層構造の労働市場があります。

UAE国民は主に公共部門に集中し、安定した高給与を得ている一方、外国人労働者は民間部門で働き、より低い賃金で雇用されています(*19)。Emiratisation政策により、同職種でも国民と外国人で賃金格差が生じています(*4)。

外国人労働者の中でも、国籍による階層構造が存在します。西欧系が最も高給を得て、次にアラブ系、最後にアジア系という順序です。この構造は、植民地時代からの歴史的背景や、言語・文化的近接性、国際的なビジネスネットワークの有無などが影響しています。

さらに、ドバイの経済構造自体が格差を拡大させています。不動産、金融、テクノロジーなどの高収益産業は少数の高度専門人材に富を集中させる一方、建設業やサービス業は大量の低賃金労働力を必要としています。

政府は経済多角化と高付加価値産業への転換を進めていますが、労働集約型産業への依存度も依然として高く、格差構造は短期的には解消されない見込みです。

FAQ|ドバイの平均年収に関するよくある質問

Q. ドバイで平均的な生活を送るには年収いくら必要?

A.単身者の場合、年収120,000〜150,000AED(約495万〜619万円)あれば、快適な生活を送れます。

この水準では、中級エリアに居住し、適度な外食や娯楽を楽しみながら貯蓄も可能です。家族4人の場合は、年収300,000AED(約1,238万円)以上が望ましく、特に子供の教育費を考慮すると、より高い収入が必要になります。

Q. 職種別ではどの仕事の年収が最も高い?

A.最も高収入なのは不動産開発責任者で、月収132,000〜263,000AED(約544万〜1,084万円)です。

次いで投資銀行のマネージングディレクターが月収99,000〜157,000AED(約408万〜647万円)となっています。IT分野では、AI・機械学習専門家が年収350,000〜900,000AED(約1,443万〜3,710万円)を得ており、技術系でも極めて高収入が可能です。

Q. ドバイでは本当に所得税がかからないの?

A.はい、ドバイを含むUAEでは個人所得税がゼロです。

給与から差し引かれるのは、社会保険料のみで、外国人の場合はこれも不要なケースが多くあります。ただし、2023年から法人税が導入され、年間利益375,000AED(約1,547万円)を超える企業には9%の法人税が課されています。個人の給与所得に対する課税はなく、額面がそのまま手取りとなる点は、ドバイで働く大きなメリットです。

まとめ|ドバイの平均年収から見えるチャンスと課題

ドバイの平均年収は約190,000AED(約783万円)で、所得税がかからないため、給与がそのまま手取りとなり、同じ年収でも他国より経済的に余裕のある生活が送れます。特にIT、金融、医療、不動産分野では高収入が期待でき、専門資格とスキルを持つ人材には大きなチャンスがあります。2024年の給与上昇率は平均4〜7%と、今後も成長が見込まれる市場です。

一方で、国籍や職種による所得格差が大きく、UAE国民と外国人の間には15〜25%の給与差が存在します。外国人内でも西欧系とアジア系で30〜40%の差があり、公平性の課題も残されています。生活費も上昇傾向にあり、特に家族帯同の場合は教育費が大きな負担となります。

ドバイでのキャリアを検討する際は、給与水準だけでなく、生活費、税制、長期的なキャリアパスを総合的に評価することが重要です。